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管理人の日常とか妄想を綴るトコです。いただいたコメントには、ブログのコメント機能で返信しております。
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夕べ遅くに入稿しましたー!
やったーよかった…
mineさんと「新刊は無理ですねー(勉強しなきゃならないしゴッ輝にはまったし)でもせっかくのイベントだからコピー本くらい出したいなあ~」とか言ってて
多分そんなに厚くならないだろうから、こないだみたくコピーでいいかな…
なんて思ってたんですが
(結局製本とか面倒すぎるのでオンデマンドにしました)

作ってみると…

80ページ


(´ρ`)ぽか~ん…あれっ
いや~~…小説本って本当にページ数が読めないですね…。
mineさんとか、出来上がる前から「じゃあ100ページで!」とか言ってくださるけど(すごい)私は自分では全然分からんです;
いやしかし、ページがかさんだのは、いつもの二段組じゃなくて一段で組んだからっていうのもあると思いますけどね!(二段だと50~60ページとかでした多分…)
最初は二段で組んでたんですけど、「謎解きはディナーの後で3」を読んでいたら、やっぱり一段がいいなあ~オンデマンドだからそんなに高くならないだろうし…と思い直して一段に戻したのでした。やっぱり一段のほうがすっきりしてて読みやすい!
だが、PC画面上で文章チェックしようとすると、ページが収まらなくて、一行ごとに上下スクロールという事態に…orz …まあ、無事終わったのでよし!
内容もそんなに詰まってるわけじゃなくて、薄いんですけど(あっ、でも話は重いです…)今回はアダルトシーンがなく…かといって健全かと言われるとまた微妙な感じなのですが
(サイトで連載が進んだら、後半で月くんと竜崎の仲を進展させようと思っていたので、最初の話だと微妙な距離感が…;)
とりあえず、まだちょっと早いけど、新刊案内と、サンプルを載せますよー!!




「雪もみぬまに」500円
A5サイズ オンデマンド 80ページ
刑事月くんと探偵竜崎のパラレル
※ 殺人事件を扱っているのでややストーリーが重いです。



前に出した「初恋刑事と林檎探偵」にちょっと設定が似ているのですが、結構違う話になりました…
サイトで続きを連載するかどうかはちょっと皆様の反応を待ってから考えます…

ゴッ輝本も一緒に入稿したので、そっちは北四ブログでご報告します…いやはや大変だった…ゴッ輝本のほうが入稿間際に悲鳴あがる事態続発でHP尽きかけたっす…
週末は印刷費を払い込むぞ!
続きから本文サンプルです( ´∀`)ノ




 彼のことはよく覚えていた。

 確か冬休み中だった。
 海外に出張していた、父親の総一郎が、帰宅時見知らぬ人間を連れて戻った。
 飛行機の中で隣の席だったのだという。ひょろ長いので青年に見えたが、間近で見るとまだ幼い頬が丸く、十代半ば…少年といってもいい年齢に思えた。
「Lです」と名乗った。


 永遠に瞬きすることなどないかのような、ぎょろりとした目の真ん中に表情の読めない闇色の瞳。しかしそんな印象も和らげる、将来さぞ整った顔になると思わせる透き通った白い肌に高く形の整った鼻先、唇。ブルネットではあるが顔立ちは完全に西洋人のものだった。ぼさぼさの髪を整えたら、さぞ彫像のごとく凛々しい造形になるだろう。
 最初はそんな印象を与えてくれたのだが、彼の動向は眉のない目できょときょとと周りを見回し、物珍しげに何かをつまんだり、指先でつついたりしている、極端に猫背のその姿は、結局のところとても奇異だった。


「ちょっと縁があってな…今夜はうちに泊めてやってくれ」
 父が、母にそう言っているのが聞こえた。


「あなたが月くんですか」
 年下の相手にも敬語を崩さない礼儀正しさ…と思いきや、指先を口にくわえたままだ。
「お父さんにあなたの相手をするようにと言われました。遊んでください」
 背の低い相手を覗き込むようにして話しかけていた彼だが、最終的にはしゃがんでひざを抱えた。母が椅子をすすめるが、いつも床にこうして座っているので、この方が楽だと言い張った。


 そんな奇妙な来訪者だったが、「L」と名乗ったその少年は、小学生だった月ととても気が合い、夜遅くまではしゃいで、家族に「もう寝なさい」と何度も叱られていた。
 翌日、彼はまた出て行った。総一郎が連れて行ったのだ。
 それ以来会っていないし、どこに行ったのか、どういう縁だったのか、結局父親にも聞かなかった。忘れ得ない経験として記憶の端に残ってはいるが、あえて気に掛けることもなく、そのまま10年以上が経過していた。


 記憶のままの印象をなにひとつ損なわず。
 彼がまた、目の前に現れた。
 思わず、「L?」という声が口をついて出た。


 


 



 


 


「L?…Lじゃないか?」
 ジーンズのポケットに両手を突っ込んだまま、すすめられたソファに座るのも躊躇われて立っているところに、思いがけず呼ばれて、竜崎は振り向いた。


 長身───とは言っても自分と同じくらいであろう体格を持った青年が、こちらに向かって歩いてくるところだった。
 明るい栗色の髪に、整った顔立ち。スマートにダークカラーのスーツを着こなしているが、年はまだ若い印象を受ける。心当たりはなく、竜崎は思わず眉間を寄せた。


「…どなた…でしたか?」
「僕だよ、夜神…月だ。覚えてない?昔、うちに来たことがあったろう」
「ああ」
 夜神、といわれて一つの顔が思い浮かぶ。
 夜神総一郎──独り立ちして以来はほとんど会うこともなかったが、日本に来た頃、後見人になってくれた男性だった。今も、事務所を借りる時に保証人になってくれている。竜崎が日本国内で頭が上がらない唯一の相手だ。
(彼の息子さんか)
 無言でぺこりと頭を下げると、夜神月は破顔した。


「どうしてここにいるんだ?」
「そういうあなたは何故」
「僕は、新米刑事だよ」
「…刑事」


 ここ、とは警察署の殺人課だ。なんとか署と言っていたが、むりやり連れてこられたのでよく聞いていなかったしどうでもよかった。竜崎は、ふと…夜神総一郎が警視庁のキャリアだったのを思い出し、彼の名を出せば、息子が身分保証もしてくれて、ここから帰れるんじゃないかとも思ったが、だがしかし、警察が自分を諦めるとも思えなかったし、何も変わらないだろうと思い直して肩をすくめた。


「警察に入られたんですね」
「ああ、子供の頃から夢だったしね…お前は何故ここに」
「任意同行というやつでして」
 どうせすぐにいやでも月の耳には入るだろう。竜崎はソファの向こうにあるホワイトボードを指差した。
「あそこに写真が貼られている女性」
「ああ…昨日死体が発見された、ホステスの事件だよね…あの関係で引っ張られたのか?」
「そういうことです」
「ふうん?それにしても久しぶりだな、L」
 事件のことなんてどうでもいいような口ぶりで、月は笑顔のまま腕を組んで、竜崎をまじまじと観察した。
「今は何を?日本で暮らしているのか?」
「…今は竜崎と名乗っています。ずっと日本で暮らしています…今は、探偵事務所を」
「探偵?へえ…それにしても懐かしいなあ、おまえ、全然変わってないね」


 竜崎か、と口にしながら、月はふふっと笑った。
「竜崎、竜崎ね、下の名前は?」
「下の名前はありません」
「ない?それで依頼来るの?」
「来ます」


 竜崎は、尻ポケットから少しだけよれよれになった名刺入れを出して、中身を一枚月に渡した。
「よろしければどうぞ」
「どうも。僕のも出したいけどちょっと今、切らしてるんだ…あっ、そうだ、松田さん!」
 月が振り向いてデスクに座っていた男性を呼んだ。
「はいっ?」
 こちらもまだ若い男性だが、立ち上がって近くまでやってきた。
「紹介するよ、こちら、今僕が組んでる松田桃太さん。松田さん、名刺、一枚もらえませんか」
「え、はいっ」
 あわてて男性がスーツの内ポケットから名刺入れを取り出す。
「今、仕事の時は一緒に行動してるから、松田さんに電話くれれば僕も一緒だから」
 そう言いながら松田の名刺を渡され、竜崎は「どうも」とそれをポケットにしまった。


「懐かしいな、何時までここにいるの」
「…さあ」
「よかったらこのあと、一緒に飲みに行かない?積もる話もあるからさ」
「はあ。私は構いませんが、殺人事件が起きているのに、よいのですか?」
「僕はまだ新米だから仕事なんて任せてもらえないさ、ねえ松田さん」
「え?あ、はい、そうですね」
 松田と呼ばれた男は、少し困った顔で笑っている。
「あ、でも、聞き込み調査についてくから、ちょっと遅くなるかも…午後七時くらいなら空いてる?」
「さあ」
 空いてるも遅くなるも何も、何時になったらここから返してもらえるのかもさっぱりわからない。
「じゃあ、身体空いたら電話してよ」
「…はあ」
「またね!竜崎」


 夜神月は笑顔で手を振りながら去って行った。あわてて松田という男がそれを追う。


 竜崎は夜神月を見送ると、少しため息をついて、ソファに座ろうかなと少しだけ思い、背もたれに触れてからやはりやめて肩をすくめた。
 椅子という物に普通の座り方をしたことがない。膝を抱えて座るのが常だ。これ以上、警察官に奇異の目で見られるのはうんざりだった。
 何も知らない顔をして帰ってしまいたかったが、他の警察官が少し離れた机から自分を見張っているのは知っていた。


「竜崎さん、お待たせしました、取調室が空いたので来てください」
 隣の部屋から、警察官が──たしか相沢と言った──顔を出した。

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